小説の書き方(16) 物語の終わり方

どうもみなさん。武岡です。

今回は物語の締めくくり、「終章」を語っていきとうございまする。

終わり良ければ総て良し……とまではいきませんが、物語を締める大事なシーンでございます。なればこそ、極力鮮烈に、かつ印象的に幕引きしたいところ。それではGO!


・「次」を想起させよう

いきなり何言ってんだこいつ、と思われそうなこのタイトル。終わるんだから次はないだろ、という声が聞こえてきます。次、と言っても必ずしも「続編」ではありません。「読者が勝手に考える物語の今後」を指します。これはもちろん続編へのフラグでもいいわけですが。

ここからは盛大なネタバレになってしまいますので、拙著「鬼なるもの」にご興味がある方は薄目で読み流していただきたい。

……よろしいですか?

「鬼なるもの」の最後はこのように終わります。

以蔵は踵を返して、鬼たちに背を向けた。今日は雲一つない快晴だ。人もまばらな早朝の街道に、タッタと以蔵の足音が響いていた。

いかがでしょう。以蔵というキャラクターが今後どうやって生きていくのか、想像を掻き立てられる気がしませんか? しない? そうですか……。

ともあれ、読者はこの終わりから、以蔵の心情や次の展開を想起します。(実際はだいぶ暗い先行きですが。)そこがポイントになります。読み終わった後もワクワクを途切れさせない。そんな終わり方は一つの目安になることでしょう。


・心を揺り動かす読了感を

最難関と言っても過言ではない締め方ですね。最後の最後に読者の心を揺さぶるシーンを挿入するやり方です。

死んでしまったあの子は、あの虹の向こうにいるのだろうか。いつか行ってみようと約束した場所に。「あなたが、大好きでした」聞こえるはずのない声が、僕の心臓を真綿で締めた気がした。

こんな感じでしょうか。最後まで手を抜かず読者の心を揺さぶり続け、落ち着かせない。それがこの終わり方のキモになります。切なさ、驚きなど、物語の核となるテーマで思う存分読者を泣かせましょう。


・大団円ももちろんあり

ここで物語がきれいに終わりそう……というときは、大胆に終わってしまいましょう。めでたしめでたしの大団円もあり、すぱりとお別れもあり。だらだらといらない蛇足をつけるよりはそちらの方が良い場合も多いです。

ただし、決められた原稿量があれば守りましょう。いくらいい感じに終われそうでも、字数が足りないではお話になりません……。


・まとめ

いかがでしょうか。「物語のオチが想像できない!」「話がだらだらしてきた」という方の一助になれれば幸いです。

それえは、また。

武岡瑞樹のひとりごと

一次創作の小説書きのつぶやき。

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