小説の書き方(15) セリフ回し

皆さんお久しぶりです。武岡です。

本日は台詞について言及して行こうかと思います。

皆さん、セリフはどんなことを考えて書いていますか?これもなかなかセンスを問われる部門です……。


・セリフは「テンポ」!

セリフ回しで一番大事になるのはテンポです。実際の会話を聞いてみると、案外文法を無視して喋っていることは多いように見受けられます。例えば、こんなシーンはどうでしょうか。

「おーい、コンロの火がつけっぱなしだぞ」

一見通用しそうですが、ここで、テンポを意識してこの文を変えてみましょう。

「おーい、コンロの火、つけっぱなしだぞ」

どうでしょう。「が」を「、」に変えただけですが、ちょっと会話っぽさが増したのではないでしょうか?

これにはやはり語彙力がモノを言います。あらゆる言葉を駆使して、そのキャラクターらしく、かつ自然な言い回しをひねり出しましょう。

音読も重要です。「推敲」の記事でも触れましたが、音読すると些細な違和感に気が付きやすいところがあります。「このセリフ、もう一ひねりできそうだぞ」と思ったら、一度声に出してみてください。


・生の会話を「観察」しよう。

とはいっても、無から会話を研究するのは至難の業。

ここはひとつ、普段の日常会話を研究してみましょう。自分が喋っている時はないように集中してしまうので、例えば電車の中、会社内、自宅の家族の会話などに耳をそばだててみましょう。TPOによって人はしゃべり方を変えますので、なるべく多くのバリエーションを得るためにも、色々と条件を変えたシチュエーションの会話を研究するのが良いかもしれません。

注目すべきは「省略表現」です。言葉あるいは文のどこをどうやって端折っているか。

「僕にはそんな暇はありませんから」

「僕、そんな暇ありませんから」

同じことを言っていても、どちらがより会話的表現に近いかは一目瞭然です。


・そうはいっても

もちろん、キャラクターの設定として「ものすごく文法に忠実に丁寧に喋るキャラクター」なんかは省略表現を少なくするということも考えられます。その場合でも、読んでいて読者が疲れない言い回しを用いる必要があるでしょう。あまりにも冗長な言い回しは目を滑らせるだけです。会話文でも読者を楽しませるという点を念頭において、エンターテイメントとして成立する言い回しにしていきましょう。


・まとめ

いかができたでしょうか?皆さんが会話を書く際のヒントになれれば幸いです。

それではまた。

武岡瑞樹のひとりごと

一次創作の小説書きのつぶやき。

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