小説の書き方(14) 人物の関係
皆さま、一日あいてしまい申し訳ございません。武岡瑞樹、ここに帰還いたしました。
今回は物語の軸となる「人物の関係」の表現について触れていこうと思います。
色々ありますね。友情、恋愛などプラスの関係から敵対、嫌悪、嫉妬など暗い関係まで、さまざまです。これらを表現するときはどんなことに気を付けるのか?みんなで見ていきましょう。
・関係性の移ろいを魅せよう
関係性というものは、一つにかっちりと固定されているものではなく、刻々と変化していくものです。べたなところだと、友人→恋人みたいな。とにかく変化するものであり、そこにドラマが生まれると思ってください。
例えば「熱い友情」をテーマに据えたお話も、最初に主人公と友達が出会った時はよそよそしいかもしれませんし、むしろ「なんかあいつ見てるとイラつくんだよなあ」とお互いに思う仲かもしれません。そこからスポーツや仕事を通してだんだん仲が近づき、気が付けばお互い手に手を取る関係になっている……だからこそ「熱さ」が生まれてくるわけです。最初から無二の親友である二人の友情を熱く魅せるのは至難の業でしょう。
ここに意外性を足すのもありです。最初は敵同士憎みあっていた二人が、第三者の攻撃により手を取り合うというのもべたですが熱い展開ですね。「何だこいつ、滅茶苦茶息合ってる……!」というやつですね。逆にラブラブだった恋人同士が最悪のお別れをしてしまう、というベクトルでの変化もあります。
・関係性のバランスを考えよう
一人の人間に向ける感情は十人十色。だからこそドラマが奥深いのです。
登場人物が増えるにしたがって、交錯する矢印の量も比例します。十人もいたら相関図は矢印まみれになるでしょう。だからこそ、図に表して可視化させておくのが無難です。いつ何時だれがどの人とどんな関係だったかごちゃごちゃにならないために……。
また、一人の人間に同じ感情を向けるのは最大でも三人までが無難でしょう。いわゆる三角関係や四角関係は例外中の例外です。友人もやたら多いとバランスが悪くなります。友人の振りをして実は主人公に嫉妬している、そんなキャラもいたほうが物語は確実に面白くなります。関係性は色々取り入れたほうがドラマが生まれやすいように思います。相関図が一色の矢印で埋まらないようにバランスのいい色分けを心掛けましょう。
・でもさ
世の中には主人公に皆が恋愛感情を向ける作品もあります。そう、いわゆるハーレムものですね。それでも、各々が恋愛感情を向けるに至る経緯や心の動きは違うはず。キャラクターを首を挿げ替えたお人形にしないためにも、その人らしさを十分に書き切った作品に仕上げるように心がけましょう。
・まとめ
つまるところ、物語を描く絵具は一色じゃつまらない、ということです。いろいろな色を使って濃く塗ったり薄く塗ったり、キャンバスが映える色使いを心掛けていきましょう。
それでは、また。
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