小説の書き方(5) キャラクター

どもども、武岡です。

字書きが一度は手を止める要因その一。登場人物。

「どんなに設定を練ってもありきたりな人物になってしまう!」「奇抜なキャラが書けない!」

誰しもが通る道であります。しかしながら、キャラの作り方というのは本当に奥が深くて、一概にこれと語れないのが現状です。

そんな状態で一体何をどう考えればいいのか?という点を自己流に語っていきたい所存でございます……。


・そもそも「魅力的なキャラクター」って?

キャラクターに魅力を見出すとき、我々は何に注目しているのでしょうか?

それすなわち、「他者との関わり」にあります。

「は? 意味わかんねーよ」と思った方も多いでしょう。しかし人はその人単体に魅力を見出せない生き物なのです。もっと言うと「他者との比較」の中に魅力を見出す生き物なのです。ここ、テストに出ませんが重要です。

例えを考えましょう。「イケメンで性格もよく、誰よりも強いヒーロー」がいるとします。あなたは今与えられた情報だけで、このキャラクターに何を思いましたか?「イケメンで性格よくて強いんだ、ふーん」がおおむね正解ではないでしょうか?それではここに「実は体の弱い妹がいていつも気にかけている」という設定を追加しましょう。これによって「性格が良い」という設定がより輝き、魅力が増したのではないでしょうか?

このように、キャラクターの魅力は「どんな人とどうかかわるか」という「関係」がキモになっています。これを意識しつつ次のステップへと参りましょう。


・じゃあどう考えればいいの?

これが正解!というものはありませんが、一つの物差しとして「対照性」を意識するとキャラが輝きやすい傾向にあるようです。

具体的には「熱血系とクール系」「常識系と電波系」「元気な子とおとなしい子」なんかはもはや鉄板です。

これらのように、対照的な性格のキャラクターを近くに配置すると、互いに相手の性格をより際立たせ、魅力を底上げすることができます。この現象を効果的に利用して、キャラクターの魅力度を増加させましょう。

また、劇中でのちょっとしたしぐさやセリフで性格を補完することも重要です。やんちゃなキャラに「今日学校さぼってゲーセン行かね?」と一言添えるだけでそのキャラクターの正確により説得力が増し、魅力的に演出できます。

さらに踏み込んでいきましょう。先ほどキャラクターの性格に沿った言動で説得力を出していこう、と言いましたが、その反対も効果的です。俗にいう「ギャップ萌え」という奴です。学校の怖い不良が実は家では超ド級のアイドルオタク、とかね。斬新な性格を一人の人物の中に組み合わせることで面白いキャラクターを作ることができるのです。


・ここに注意の落とし穴

では、キャラクターを組み上げるときに何に留意すべきでしょうか。

まずは「どんな性格を主軸に置くか」をはっきり決めておくべきだ、ということです。

例えばよくある「普段は冷静沈着だけどいざというときは熱い男」という設定のキャラクターの主人格ともいえる性格はどちらでしょう?正解は「熱い男」の方です。クールにあろうとしているけれど、根っこは熱い、ということですね。この根っこをはっきりさせておかないとキャラクターの性格がぶれます。性格がぶれると読者にキャラクターの魅力が伝わりません。気を付けていきましょう。

次に「両立し得ない性格を組み合わせない」です。

これはギャップ萌えを狙うときにはまりがちです。奇抜なデザインにしようとしてかみ合わなさすぎる性格を一人の人物に盛り込んでしまい、どでかい矛盾の塊ができてしまう、というパターンです。「熱血漢だけど冷酷無比」「世界を憎んでいるのに恋愛脳」など、「いやさすがにそれはなさすぎだろう!」と思わせるような組み合わせは避けるようにしましょう。

さらに「全能キャラは避けよう」があります。

天才キャラを作ろうとして「もうお前ひとりいればよくね?」状態になってしまうと他のキャラクターの魅力が死にます。キャラクターの長所短所を皆が生かして物語をつづるからこそ面白いのです。天才設定は用法・用量をよく守って適切に……。



・まとめ

どうでしょうか。なんとなく作り方のコツのようなものは浮かんできたでしょうか?

この記事をきっかけにたくさんの魅力あふれるキャラクターたちが生まれますように……。

それでは、また。

武岡瑞樹のひとりごと

一次創作の小説書きのつぶやき。

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