小説の書き方(4) 歴史物

毎度どうも。武岡です。

本日は昨日の宣言通り、歴史物について触れて行こうと思います。

いやー、歴史物っておじさん向けっぽいし、文章ががちがちで読みにくい……、と敬遠されがちなんですが、そんなことはありませんよ!司馬遼太郎先生のような重厚な歴史物もありますが、もっと口語的で読みやすい作品も多く存在しているジャンルです。戦闘シーンのあるものはちょっと……という方にも、ほのぼの人情物とかおすすめです!

そんな歴史物に挑戦したい!という方の火付け役・武岡瑞樹、いざ参らん!


・準備は入念に!

一口に時代物と言っても、舞台は様々。

人気があるのはやはり平安時代、戦国時代、江戸時代、江戸幕末、大正でしょうか?どの時代設定にするにしても、下調べは入念に行いましょう。具体的に言うと、当時の「政治」「民俗」「法制度」「社会の仕組み・組織」が中心になります。

人々はどんな社会の中でどういう価値観を持って暮らしていたか?ここ重要ポイントです。特に昔は階級・職業によって大きく価値観や常識が異なる場合が多いです。また、「その時代っぽさ」を出すためにも、その時代の常識というものをある程度知っておく必要はあります。この点については後程詳しく触れていきます。

難しいのは、実在の人物について書く、という場合です。拙著「鬼なるもの」では登場人物の大半が実在の人物ということもあって、資料をあたるのにかなり時間を費やしました。お金も費やしましたよ、もちろん。図書館に詳しい資料が豊富にある!という超大物有名人ならいざ知らず、マイナーな偉人さんを登場させようとなると、結構な労力が必要なのです。そこらへんの覚悟も持っていた方がよさそうです。実在の人物の遍歴を知っておくことは、その方を書く最重要必須項目だと思っておいてください。もちろん、お話によっては脚色を入れる、一部事実と異なる描写を入れることもありますが……。

ということで、書き出す前の下調べはいつもより入念に!を心掛けていきましょう。


・「その時代っぽさ」を出そう!

先ほど、「その時代っぽさ」についてチラッと触れました。ここで掘り下げていきましょう。

例えば舞台は江戸時代。長屋住まいの主婦たちが井戸の周りで談笑している。という場面を「長屋の女衆が寄り集まって井戸端会議なぞ開いている」……と書くと、江戸時代っぽいにおいがしませんか?

いくら口語的な時代物と言っても、やはり雰囲気は大事。読者がまるでその時代にタイムスリップしたかのような引き込みを持たせるためにも、「それっぽい言い回し」は欠かせません。この「それっぽい言い回し」を研究するには、やはりいろいろな時代物作品を読むのが手っ取り早いでしょう。自分の書きたい時代背景の作品を読むことによって、よりその時代の「雰囲気」「空気」を感じ取るのが良いと個人的に思います。

言い回しの他に小道具を使って「その時代っぽさ」を演出するのも大いにありです。例えば江戸幕末の「拳銃」。「おいおい、そいつはなんでえ」「お前さん知らんのか? 拳銃っつう舶来モンだ」なあんて会話が差し込まれれば、一気に幕末感が出ますね。

このように、その時代の「におい」を読者に堪能させるのも時代物ならではの魅力と言えます。ぜひ意識してみてください。


・ファンタジー要素を入れたいんだけど……

ここまで「その時代に忠実に」を掲げてきたわけですが、もちろん時代物でもファンタジーは書けます。

代表的なものはやはり妖怪、幽霊でしょうか。武士の妖怪退治なんて王道ながらかっこいいお話も世にたくさんあります。私も僭越ながら鬼のお話を書かせていただいていますし。神社を舞台に神様のお話、というのももはや鉄板になってきていますね。

ただ、やはりファンタジーを書く場合にも当時の世俗を知っておかないと「その時代っぽさ」は出せませんし、そうなると「これこの時代設定にする意味あった?」と突っ込みを入れられてしまいます。ファンタジー要素もその時代の「におい」をかき消さない設定で盛り込みましょう。


・まとめ

いかがでしたでしょうか?なかなか敷居が高いと思われがちな時代物ですが、ふたを開けてみればそうでもないな、と思われる方もいらっしゃることでしょう。これを機に面白い時代物作品が生まれてくることを切に願います。

それでは、また。

武岡瑞樹のひとりごと

一次創作の小説書きのつぶやき。

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